大和重工株式会社

高品質な鋳物技術high quality

高品質な鋳物技術

凝固時間を予測し冷却制御すると共に適切な溶湯処理を施すことで、製品実体の機械的性質要求を満足し、さらには異常黒鉛の発生を防ぎ、内部においても健全な球状黒鉛鋳鉄の製造を可能としています。

当社では様々な材質の高品質な鋳物製品を製造しています。詳細は下記を御覧ください。

高い靭性と強度を兼ね備えたダクタイル鋳鉄

鋳鋼・鋼材とダクタイル鋳鉄との強度の比較

各種金属材質の強度比較表

材質名 引張強さ(N/mm2) 耐力(N/mm2) 伸び(%)
FCD450-15* 450~500 280~320 18~20
FCD500-7* 500~600 320~370 10~16
SC360 360以上 175以上 23以上
SC410 410以上 205以上 21以上
SC450 450以上 225以上 19以上
SC480 480以上 245以上 17以上
SS400
(肉厚>40mm)
400~510 215以上 23以上

*当社実績値

当社大型ダクタイル鋳鉄は、不純物元素管理と、安定した溶湯処理技術により、高い靭性と強度を実現しました。

鋳鋼、鋼材と比較した場合、耐力、減衰能(約2.5倍)は圧倒的に優れ、伸びも同等の性能を有するため、材質転換により軽量化及びコスト削減が可能です。

厚肉中心部まで均一で微細な黒鉛組織と高い球状化率 (肉厚500mm ブロック) 

上記グラフは従来品と黒鉛微細化処理を比較したものです。従来品は中心部になるにつれて黒鉛球状化率が下がっていくのに対し、当社では黒鉛球状化率を維持できる技術により高品質な製造を可能とします。

厚肉テストブロックの切断面

Daiwaダクタイル黒鉛形状
厚肉部に現れる異常黒鉛(チャンキー黒鉛)

当社ダクタイル鋳鉄は、安定した黒鉛球状化処理により、中心部まで微細な球状黒鉛を晶出させ、高い球状化率を維持させることが可能です。また、厚肉部におけるチャンキー黒鉛、引け巣等の発生も無く、偏析のない均一な組織を得ることで優れた機械的強度を内部まで保持できます。

超大型ダクタイル鋳鉄品保証事例

FCD400-18AL

風力発電部品

製品重量:12,000kg
最大肉厚:180mm

引張強さ:370~410mm2/N
0.2%耐力:240~280mm2/N
硬度(HBW):140~160
伸び(%):20~30%
シャルピー吸収エネルギー(J):
-20±2℃  10J以上
主要基地組織:フェライト

FCD400-15A

舶用部品

製品重量:44,000kg
最大肉厚:200mm

引張強さ:400~450mm2/N
0.2%耐力:260~300mm2/N
硬度(HBW):140~180
伸び(%):15~25%
主要基地組織:フェライト+パーライト

FCD500-7A

産業機械部品

製品重量:15,000kg
最大肉厚:250mm

引張強さ:460~550mm2/N
0.2%耐力:290~340mm2/N
硬度(HBW):150~190
伸び(%):10~20%
主要基地組織:フェライト+パーライト

FCD600-3A

舶用部品

製品重量:20,000kg
最大肉厚:240mm

引張強さ:560~610mm2/N
0.2%耐力:350~370mm2/N
硬度(HBW):190~230
伸び(%):5~13%
主要基地組織:パーライト+フェライト

検査設備の紹介

黒鉛球状化計測ソフト

JIS規格対応の球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)の黒鉛球状化率が測定できます。

発光分光分析装置

金属中の多元素を同時に分析できる装置です。高濃度から微量域まで精度よく分析できます。

万能材料試験機

強度試験によって金属材料の機械的強度を測定することができます。

ブリネル硬度計

金属材料の硬さ測定に使用する装置です。

3Dスキャナー

3Dスキャナー(Leica Absolute Tracker AT960)は、可搬性、正確性、信頼性の点で評価が高く、さらに精度・スピード・各種計測ソフトウェアとの適合性に優れることから、リバースエンジニアリング、治具、大物鋳物、浴槽の検査をすることが可能です。

3Dスキャン・鋳造シミュレーション等

3DCADを活用し3Dスキャン、鋳造シミュレーション等の先端技術を取り入れ、お客様製品の高品質化・軽量化・製造コストや納期の低減に役立てています。

湯流れ解析

凝固解析

熱応力解析