湯牧民かまどん誕生秘話

かまどんSTORY


世界一の鋳鉄製大羽釜
 大和重工では天保2年(1831年)の創業以来、180有余年にわたり鍋や釜を作り続けています。 かねてより「おいしいごはん」についての研究・試験、また調査を重ねてまいりました。 平成2年(1991年)には、その技術を基に「世界一の鋳鉄製大羽釜」(口径2,400mm、炊飯量1,260kg)作りに挑戦し、設計から製作まで3か月かけて完成することができました。 そしてあの阪神淡路大震災をきっかけに“かまどん”を開発することになるのです。

 平成7年(1995年)1月17日午前5時46分、阪神淡路大震災発生。その日からテレビ被災状況や救助活動の中継が続きました。
 それを見た私たちは何か被災者の方々の助けになれないかと、思いつく限りの支援物資をまとめ神戸に向かいました。
 被災地に着いた私たちは、想像以上の悲惨な状況を目のあたりにすることになります。崩落した高速道路、焼け崩れた家屋、一面を埋め尽くす瓦礫の山、そして住む場所を失った人々…。
 被災地区の学校等は避難所となり、大勢の人々が避難所生活を送っていました。人々は瓦礫の中から見つけ出した最小限の家財道具を持ち寄り、助け合いながら生活をしていました。

「かまどん」の初期モデル
 少しの煮炊きをするのにも、鍋や燃料など満足なものなど何もない状況。特に火を焚くかまどとして使えるものがなく、使いづらいのは承知のうえで、ドラム缶や一斗缶が代用されているのを多く目にしました。
 1月の冷たい風が吹き抜ける中、それでも温かい食事をとれるひとときが大きな喜びになっていることを私たちは実感し、かすかに聞こえてくる笑い声に、救われる思いがしたのです。

 広島に戻った私たちはすぐに災害用品の開発に取り組みました。こうして生まれたのが「かまど」と「多機能鉄鍋(ダッチオーブン)」をセットにした“かまどん”だったのです。寒さに震えながら、炊きあがったばかりの白いごはんを頬張る子どもたちの笑顔を思い出しながらの開発でした。
 以来、災害時だけでなくアウトドアのレジャーや、イベント、さらに週末の庭で家族で楽しんでいただける製品を目指し、改良を重ねて現在の“かまどんオーブンセット”、“かまどんはがまセット”の開発に至っています。